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2007年7月15日(日)の詩咽

 

  



キャンパスライフ 第6話 



カービーの短い夏休みも終わり、また山での生活が始まりました。

しかし、やはりというか、短い娯楽期間を高濃度に過ごしてしまったため、今までのような山生活での粗食に耐えられなくなっていました。


まず、一番良くなかったのは「お肉を食い過ぎたこと」です。
動物性タンパク質に飢えていたカービーは下山と同時に肉類の摂取に余念がなく、今までの粗食分を取り返す勢いで食い散らかしました。しかし、その濃い味覚に、肉の食感に、柔らかい舌触りに慣れてしまった感覚は容易には戻りません。



結局、お肉の味を忘れられなかったカービーは、山に戻った直後ノザキさんの鶏小屋から一匹拝借して食べてしまいました。

この泥棒猫!とオレが蔑むとカービーはあたふたと弁解を始めました。

以前に、卵をあまり産まなくなった雌鶏がいたのでその話をノザキさんに振った時のことです。やはり、そういう鶏は食べてしまうらしく、だから食べてしまってもいいんだよ!と奴は言うのです。


いやいや、そういう話じゃねぇだろ。やはり長く高山にいると酸素の関係なのかちょっと論点がずれてしまうようです。


しかし、鶏ともなると普段焼いているお魚さんとはワケが違います。
まず、毛の処理。確か熱湯にくぐすと羽が抜けやすくなると聞いたことがあったので、その通りにやってみると面白いように羽が抜けました。ブッチラブッチラ!しかし、すべての羽を抜いても、産毛がびっちりと生えているらしく、これの処理がどうにもできません。

仕方がないので、薪でたき火を起こすと農機具で突き刺したまま炙り焼きにして食ったそうです。

        


気になる味付けは、ウナギ用の蒲焼きのタレです。

山に降りた際に、より濃く、よりカロリーの高い調味料を探し、目を付けたのがこれです。
確かにカービーのそのセレクトは間違っておりません。以前、山でバーベキュー中に遭難した人が、焼き肉のタレ一本で一ヶ月以上生き延びた話があり、焼き肉のタレの高栄養度を物語るには最適のエピソードがありました。


その後も食料が無いときは、本当にタレだけを舐めて過ごしたこともあったそうで、これなくしてカービーのキャンパスライフは語れないのです。


他にもマムシにウナギのタレを塗ったこともありました。

山野をおかずハントしている際、ふいにマムシを捕獲することに成功しました。問題は調理方法です。テレビで見たことがあるようにあれこれやってみましたが、いったいどこに毒があるのかよく分からないのです。

ここで毒にあたっても血清なんてすぐに入手できません。なので、とにかく丸焦げになるまで焼いてからこのタレをつけて食ったそうです。
ヘビとウナギ、形状こそ似てますが、同じようにはいかなかったようです。でも、製造会社もマムシに塗られているとは想像だにしていなかったでしょう。

          



それに加え、カービーの食事の中で欠かせないものがもう一つあります。
それは山に生えるキノコ類です。湿気の多い山の中ですから勝手に自生しているのも珍しくはありません。


  


昨今のニュースでもよく話題に上がりますが、中高年の山歩きブームにともなって続発する食中毒事件はご存知でしょうか?これは、キノコや野草を素人の目利きでセレクトしてしまったゆえの悲劇です。下手すれば人命に関わることもあるでしょう。



みなさんなら一体何を基準にキノコを選ぶでしょうか?

普通なら「色とか形がケバケバしいのは毒キノコ」とお思いではないですか?どうしたって無害そうな地味な色合いのモノを選んでしまうのが人情ってもんでしょう。
しかし、それは一概には言えず、見た目が派手で食えないキノコの代表格ベニテングダケを除けば、他のものは結構食えるんです。その逆に地味な色合いのものは、人工的に作られているもの以外はほとんどダメだったりします。


しかし、こういったサバイバル生活を送っていくうえで、一度の失敗を恐れていたのでは生きていけません。知識がないなら学ぶしかないのです、自分の体で。つまり、少量ずつでも口に入れ、ダメなら仕方なく腹を壊すまで。それで大丈夫なら以降の食品リストへと加えていくのです。



  

つまりこういうことですね。



ただ、いざ探してみるとこの手のキノコが結構生えていて、いちいち腹をこわしてられない状況になっていました。自分が倒れた時に助けてくれる人がいないのを計算に入れて食わなければなりませんし。ノザキさんやシゲタくんが来るのは不定期なので期待はできません。


では、一体どうしてキノコがカービーの食生活における主要品目と成りうるのか、という話になりますが、それは話を少し遡らなければなりません。



ある日、カービーがいつものように食べるものを探しに山を歩いていた時のことです。普通の人間なら見過ごしてしまうようなことかもしれませんが、わずかな変化をカービーの野生の勘は逃しません。


   



林道から少し外れたところに先日までなかった黒っぽい山ができていたのです。近くに寄ってみると、その正体は短く分断された古木の山だったことがわかりました。どこかの産廃業者あたりが勝手に放置していったのでしょうか、その量たるやかなりのものです。


これらを薪として燃料にするということも考えられましたが、小屋までの距離を考えると割に合いません。そこに労力を割くなら他にもやれることはたくさんあったからです。そう、すべてを一人でやらなければならない原始生活にはいくら時間があっても足りないのです。





結局、その古木の山の付近を通ることもなくなり、しばらくの時間が経ちました。あの時、燃料に使わなくて良かったと感謝することになるとは知らずに。


久しぶりの探索ルートとして、例の林道を歩くとあの古木の山に更なる異変が起きていたのです。所々に生えているのは紛れもなく、茶色いニクイ奴、山のお肉「シイタケ」さんだったのです。


これを発見した時のカービーの喜びようたるや、飽食の時代を生きる我々にとっては筆舌し難いほどのものだったことでしょう。毒キノコかどうか確かめる必要もないくらいにシイタケ、シイタケしているのです。

オレもパッとこの話をされても「フーン」と流してしまっていたかもしれませんが、不思議なもんでこれだけ彼の受難を聞いた上だと自分のことのように喜んでしまうのでした。思わず、「やったな!カービー!」と握手を求めてしまうほどにです。何というか長いフリーター生活を脱し、定職を持った友人を祝福するのに近い感情と言えなくもありません。

        



古木の正体は、どこかの椎茸栽培農家が使用していたと思われるシイタケの種木だったようです。そして、もう生えてこねぇだろうとして捨てられた種木でしたが、山の気候条件が良かったのか野放しにしていても勝手にシイタケが育ってきていたのです。


詳細なキノコの生態は知らなくても、獲りすぎなければまた次代のシイタケが生えてくることは間違いありません。こうしてカービーは、病に冒された先輩のようにやばいキノコの収集に追われ事なく、定期的にシイタケという食料を採取できるようになったのです。



今回の体験を通して、カービーの中で今後見据えなければいけない課題がはっきりとしてきました。


それは、行き当たりバッタリの狩猟民族のような生活をいつまでも送っていて良いものだろうか、ということです。冬になったら今のように食べられるものが見つかるものとは思えませんし、定期的に食料が手に入るというのは理想形態に違いありません。

人の歴史が物語るように、少しずつでも狩猟型から、産み育てる農耕型に切り替えていく必要があるはずなのです。




もちろん「え?冬をここで越すの!?」という議題ありきの話なんですがね。


       





次回、「カービー農耕編」をお楽しみに。


つづく















2007年7月12日(木)の詩咽



初めて175出しました。やたー。



カービーの話はちょっと一休み。というより、先がデキ上がってないです。