怪文書




娘が生まれる以前の話となります。

とある日、帰宅するといつものように玄関ドアに添えつけられているポストの中身を探りました。



   


普段であれば、「いつまでこんなアパートに住んでるんだ!?早いとこ家買っちまえよ!」といったチラシが入ってたりするのですが、今回はスカスカ。

と、思いきや指先にわずかな紙の感覚が。取り上げてみると1枚の小さなメモ紙が入っていました。






誰かが留守中に伝言でも残したのかな?と、そのメモに目をやると何やら不穏な雰囲気。


   

「あなたの家の出窓に子供が見えます。すぐにどうにかした方が良いと思います。」




まったく事態が飲み込めねぇ。



メモには差出人氏名はなく、鉛筆で書かれたであろうメッセージ以外に読み取れる部分はありません。たて読み?斜め読み?炙り出し?

何かのイタズラかもしれませんが、意味もわからずただひたすら気味が悪いだけ。まったくもって性質が悪い話です。

そもそも、うちには子供はいないし、2階ですから窓から子供が勝手に入ってくるなんてこともありません。





しかし、そう言いながらも心のどこかでは「霊現象的な話だったらどうしよう?」という懸念をうっすら感じていました。

まさかうちの出窓のところに子供の霊が・・・それを見かけた宜保愛子似の霊感のすげぇ人がメモを差し込んでいったのでは・・・



「あなたの家の出窓に子供(の霊)が見えます。すぐにどうにか(除霊)した方が良いと思います。」

てことか?




いやいやいや!何を言ってるんだい、バカらしい!電話一本で恋人が届くこの時代(デリヘル)にそんなことあるハズもないじゃない!えー?いい大人をからかうもんじゃないわよ!ハハハハハ!












ハハハハハ!

























ハハハハハッ!!!!
























ハハハハハ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

























    

ギャーーーーーーッス!!!!!



問題の出窓を確認しに言ってみたら、子供のものらしき小さな手形がびっしり!アホか!

人間、本気でびびると言葉すらまともにでません。あまりの衝撃に本気で小便をだだ漏らす寸前です。




手形は家の内側からついているようで、複数の人間のものなのかわかりませんがサイズが若干違うものも混じっているようにも見えます。

それって、い、一体じゃないってこと!?ねぇ!




やばいやばい、やば過ぎるだろ、これは!
口の端に泡を溜めながら、出窓のある畳敷きの部屋を何とか這い出しました。

まだ、この部屋に越してきて間もないし、ましてや最近窓拭きで中も外も磨いたばかりです。あんな手形があるわけないんです。









妻、A氏はまだ帰宅しておらず、それまでオレはこの部屋で一人きり。


これから妙な物音一つでもしたら、膀胱内に溢れんばかりの液体を全開放してしまう自信があります。



    

        ※全パワー開放後





無理無理!耐えられない、耐えられない!一人は耐えられない。

もうすぐにでも友人を呼び出すか、デリヘルを呼ぶかでもしないと正気を保つことができません。












そうこうするうちにA氏が帰宅。


妻は妙に勘が鋭く、オレには感じ取れないものを感じる能力があります。何かわかるかもしれないと、すがりつくようにメモを渡し、出窓の小さな手形のことを説明しました。




A氏も最初は気味の悪いメモに驚きながらも、すぐに何かに気づいたらしく窓を確認しに行くと、オレの顔を見ながらゲラゲラ笑い出しました。








事の真相はこうです。

今日のお昼頃にA氏の友人達が子供を連れて遊びにきたそうで、そいつらが出窓から布団に飛び降りる遊びをしていたとのことでした。

  



何だよ、ビビらせやがって!

とすると、あのメモも宜保愛子似の霊能者とかではなく、その様子を見かけた近所の人だったに違いありません。


確かに2階出窓で子供が遊ぶ姿は見ていてあまりいいものではありません。
今後はここで遊ぶことを禁じなければいけませんね。



いやー、しかし霊とかじゃなくてよかったー。


















そして、それから一ヵ月後。



今度は部屋の観葉植物の鉢の中から、植えた覚えのない球根みたいなものが芽を出してました。



  


また、あいつらか!?それとも・・・



あれから手紙は届いていません。









おわり