「Tシャツを頼まれて」 第1回

      

とある昼下がり、いつものように柴犬片手にホケーとしておりますと、東京で働いている友人から電話が入りました。

          
大学時代からの友人なのですが、彼の場合、同じ陸上競技部に属していながら、卒業後はみんなが聞いたことあるような海外ブランド関連のアパレル業界に入り、数年後には趣味が高じてイタリア料理の勉強を始め、現在は神楽坂近辺でイタリア料理店の店長さんをやっているという、口に出すとむかつくくらいカッコイイ経歴の持ち主でした。


        





電話の内容は、Tシャツデザインの依頼。

以前にお店へ遊びに行って以来、オーナーがいたくオレのイラストを気に入ってくれたようで、お店兼フットサルチームで使用するオリジナルデザインを起こして欲しいとのことでした。


半分、酒も入っていることから安請け合いをしたものの、アパレル業界からイタリア料理というおおよそ自宅から数qはそういった関係店がないような地域に住んでいる人間が、神楽坂のお店のTシャツデザインできるのか?という原初に立ち戻った疑問にぶち当たるわけです、必然的に。(牛舎および豚舎とかなら数百m以内にあります)



友人もデザイン関連は好きな人種でしょうし、その関門を突破するためには、サスティナブルかつフォトジェニックな雰囲気を醸しだしつつも、天空に舞うコスモパワーをエラ呼吸で吸収・体内分解できるようなデザインを見せつけ、手渡す直前にビリビリに破り捨てるくらいの気概が必要です。




※錯乱中




今夜の酒はやけに回るようなので、次回へつづく。














「Tシャツを頼まれて」 第2回



錯乱状態の淵からコスモパワーにより立ち直り、出来上がったデザインがこちら。


自分でTシャツ作成までやることを視野に入れて、色遣いなどは極力シンプルに、お店のロゴマークと、「肉食堂」の異名から牛さんを配してみました。悪く言えば無難なデザイン。





白Tをベースとすればこんな感じですわ、とメールと一緒にデザインを添付して送りました。





後日、友人からの返信では、「んー、送ってくれたデザインもすごく良いんだけど・・・もっと、ケイスケ色が欲しいんだよね」と。



予測はしておりましたが、やはり大人しすぎた模様。
メールの文章はとても遠慮気味でしたが、友人の声を読解するに・・・


大人しく縮こまったデザインでお茶を濁すなよ、と。
かつてのお前ならもっとやれただろう、と。
Tシャツの前面部に性器をプリントアウトするくらいの気概はないのかよ、と。


       
         タイトル「未曾有の危機」


棺桶に両足入って、後はケツをつくだけのジジイのファックの方がまだ気合いが入ってるぞ、と敬愛するハートマン教官の如く叱咤激励を飛ばしたいのだと推測されます。





とりあえず、取ってつけたような背面部のデザインのみ通過で、前面部はやり直しということになり、「後悔するなよ」と返信し、次のデザインに取りかかることにしました。


しかし、捨て台詞を吐いたところで「自分らしさ」ってのが何だかわかりません。「歯ブラシのブラシ部分が開けてしまっても割と長く使用する」とかそういうことか?

結局は人から見た自分でしかないわけですし、できればそれを教えてもらいたいのですが、案外怖い回答が返ってきそうなんでできれば聞きたくありません。



イタリアンレストランだからなぁ・・・・イタリアン、イタリアン、ポメラニアン、イタリアン、スミソニアン、ドン・ファンファン、パルメジャンイタリアン、イタリアン、ダルタニアン、・・・代替案、ゴールドライタン・・・ゴリライモ・・・メスカブト・・・ジルサンダー・・・グルチッチ・・・



「もう濁点がつけばこの際何でもいいや」と、ひとしきり錯乱した後に出来上がったのがこちら。



   


後悔するなよ、と返信してから一時間とかからずに出来上がったので、すぐに送信してやりました。


さらにリアル版も同時混入。
   
    



「さぁ、どっちがいいんだ?」と選択を迫ったところ、早速に返信があり、「これはさすがにちょっと・・・」と2択問題なのに3択目で切り替えされました。







まったくもって「自分らしさ」というのものがわからなくなったので、自分探しの旅に出て参ります。




とりあえず、北北西へ向かいます。




つづく















「Tシャツを頼まれて」 第3回



北北西から帰ってきました。
見つけたのは「自分らしさ」ではなく、チダラマッカと略称をつけた赤いダニだけでした。


リアルに自分らしさというものを、どうデザインに活かすことができるのかを考えてみることにしました。


・筆画(力強い?)
・筆文字(汚く書けば書くほど「味がある」と評される可能性あり)
・ミニマル的(緻密な絵が書けない)
・夢見がち


本気で並べてみても余計わかんなくなってきた!
と、迷走を続けていると友人から再度メールが届きました。


内容は「牛とかブタとか肉的なものを入れて!」と、まるで「野菜炒めを肉野菜炒めにグレードアップしておいてお母さん!」みたいなニュアンスでデザイン要望が綴られておりました。


        



当初からそれは言われてはおったのですが、イタリア人とか書いているうちにすっかり忘れておりました。そうだ、肉だった。



で、原点に立ち戻り、【牛・ブタ・鳥】と肉の三冠王を配してTシャツの作成を始めたのでした。


某山に一年間半籠もっていた某カービーに言わせれば、【鹿・ヘビ・サンショウウオ】といった配置になるでしょうが、そのデザインはまた後日にということで。


      






そうして、OKをもらって出来上がったデザインはこんなかんじです。

エプロン着たモチヒコっぽいキャラが頭に肉乗っけて走っているというデザインで、深い意味合いとか解釈はまったくなく、「オレ!昨日そういう夢みたんよ!」とノートに走り書きを始める小学生のようなテイストで表現してみました。







裏面にはブレーメンの音楽隊よろしく縦に連ねてみました。
本当は連串にする案もあったのですが、ちょっとグロいなぁと気づき止めておいてよかったなぁ、と後になって思いました。







こっちは白Tシャツバージョンです。

肩口には、一回目のデザイン提出で辛うじて生き残った肉ロゴがカラーで配されています。

こんだけ並ぶときれいですね、なかなか。今度はこの肉ロゴだけのTシャツとか作ってみるかなぁ。






こちらは白Tシャツの表面デザインですね。
当初のカラー案がここにきてやっとこさ活かされましたわ!

出来栄えとすると白Tの方がキレイだなぁ。






とまぁ、紆余曲折して北北西に旅した甲斐のあるTシャツが出来上がったのでした。はー、疲れた!もうしばらくTシャツ作らんぞ!




さて、この段になってで申し訳ないんですけど、友人がいるお店を紹介させてください!お店の写真を撮ってくるのを忘れてしまったのでHPから拝借させていただきました。

肉に限らず前菜から何からかなりウマイ!のでお近くの方は是非一度ご来店ください!
件のTシャツもこちらに置いてあるみたいなんで、そちらも合わせてご覧くださいね。


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ANTICA OSTERIA CARNEYA
アンティカ オステリア カルネヤ


TEL

03-5228-3611

ADRESS

東京都新宿区南山伏町3-6
市ヶ谷NHビル1F

都営大江戸線
牛込柳町駅 東口 徒歩5分
牛込神楽坂駅 A1番出口 徒歩7分

OPEN
12:00〜14:00(LO)
18:00〜22:00(LO)

定休日 月曜
HP:http://www.carneya.net/



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