目覚めの悪い夢  後編




前回のあらすじ

国語の教科書がチラシだった。



はっきり言ってしまえば、ただ夢の話なんですけれども、時にはリアルな現実よりも辛いことってありますよね?起きたときになぜかボロボロ涙が出ているときとか。

今回は泣きこそしませんが、えらく後味の悪い夢を見たということで文章を書いています。さて、後編をどうぞ。





国語の授業も終わり、何人かの友人らしき男子生徒がオレの机付近にやってきました。
さっきは大変だったな、とかしばらく何してたんだよ、とかそういった話で盛り上がります。

どうやらクラス全体から虐げられているようではないようです。
とてもイヤな目にあった直後のせいか、友人たちの温かさに思わず涙が出そうになります。


しかし、それもつかの間、さきほどからオレを罵ることに教師生命をかけてるんじゃないかと想定される担任が教室に入ってきました。

「起立、礼!」

日直らしき生徒が発する号令で授業が始まりました。

しかし、先生は手元にある教科書を使わず、小さな咳払いとともに話を始めました。



「授業を始める前に、お前らに言わなければならないなことがある・・・。」


非常に嫌な予感がオレを襲います。

先生は続けます。


「・・・クラスの給食費が盗まれた。」

的中!我の嫌な予感的中せり!




「悪いことは言わない、給食費をとったものは素直に名乗り出て欲しい・・・」



もちろんオレは盗んでいませんが、そんなこと言われたって、この場のこの雰囲気で名乗り出られるはずがありません。


何を考えているんだ、この先生は・・・とチラリと先生を見やりました。








      











         




完全に目が合った。
これ以上ないというくらい視線が絡み合った。


あまりの気まずさに、サッと目線を逸らしてしまいました。
何なんだ、今の視線は?まさかオレを疑っているのか?
いや、でもそんなはずないよな。ずっと休学してたんだし、オレ。
目があったのだって偶然だよ、偶然!




































     








        



ずっと見られてた。

この視線は疑っているどころか、確信してる、オレが犯人だって。

おかしいだろ、いくらなんでも一体何の証拠があってオレを犯人扱いするんだよ?
とはいえ、この場で急にオレが弁解発言するってのも、微妙に怪しい雰囲気をかもし出してしまいます。ここはグッと堪えてやり過ごすしかないのでしょうか。



「今日は犯人が名乗り出るまで帰さないからな!」


出たー、持久戦発言ー!!

しかし、先生の視線がやたらと一点に集中しているためのなのか、クラスのみんなもチラチラとこちらを見始めました。帰りたい気持ちはオレだって一緒だっつーの。



すっごい気まずい。なんだよ、この雰囲気。







ガタン!

イスが動いた音がしたかと思うと、一番前の列に座っていた男子生徒が席を立ちました。


「ん、どうした?金子。」


金子くんはスラリとした長身に端正な顔立ちで、よくは知りませんが間違いなく女子に人気がありそうな男子生徒でした。


金子くんは凛とした聞きやすい、それでいて強い意志の籠もった声で発言しました。










「大事な生徒を証拠もなく疑うなんておかしくありませんか!?」




今なら金子くんに抱かれてもいい。


いま、一番言ってもらいたいことを的確に発言してくれた金子くん。
こんな雰囲気で発言することは大変勇気のいることです。彼は間違いなく学級委員とかやっているはずです。もしかしたら生徒会長とかやっているかもしれない。



金子くんのもっともな発言に先生はウッと言葉に詰まります。


もしかして、ケイスケが盗ったんじゃないか?という疑惑の目線をクラスメイトから向けられることはもうありません。金子くんの勇気ある発言で状況は一変したのです。

いいぞ、金子くん!


いまや、勝手に生徒を犯人扱いした先生に対し、皆の懐疑的な視線が注がれています。

ざまぁみろ!と心の中で舌を出しながら、先生に視線を移しました。



























     

























       







































   
























       


教師に「死ね」って言われた!



もう最悪だよ、この先生。堂考えても教師失格だろ!?
今に見てろ、絶対教育委員会に訴え出てやるからな。

だけどこの先生、何がどうしてこうオレの目の敵にするんでしょうか。さっきからオレに対して悪意しか感じ取れません。



クラスの雰囲気も変わり、その間も金子くんの法的見地からの的確な発言により、先生も犯人探しをあきらめざるをえませんでした。

ばつが悪そうに「わかった、わかった」と降伏宣言ともとれるぼやきを漏らしました。


これで事件も一件落着し、休学明け一日目を無事に過ごせるものかと思ったその矢先のことでした。


























   

    「かばってもらってよかったなぁ!ケイスケ!」














      




今までの流れとか台無し。

どれだけひとでなしなんだよ、この先生は。もう最高に胸くそ悪い。

その後もこの先生のせいでかなりひどい目にあったような気がしますが、いかんせん夢なので場面転換が激しく何が何だかよく覚えていません。




ただ、その後にこの高校の修学旅行に出かけるのですが、行った先の遊園地でオレの乗った遊具だけ中東系の外国人が満載で、その人たちの分まで乗り物代を払わされたり、(3,600円取られました)温泉でオレだけ水風呂だったりと悪意に満ち満ちたストーリー展開にうなされ続けたのでした。



      




もう起きた後に、人のやさしさに触れたくて触れたくてしかたありませんでした。二度と見たくない、こんな夢。





で、話は戻りますが、恐らく今回この夢を見るに至った原因は、寝る前に読んだ「男おいどん」の影響かと思われるのです。


げに恐ろしききは、おいどんの影響力。




   完