思い出サッカー 





ワールドカップの開催も近くなり、そこいら中サッカーの話題で持ちきりですね。こんな時ばかりは代表選手の名前を覚えたりと、情報に遅れじとニュースを見たりすることも多いかと思います。

こんなご時世ですから、オレも自分のサッカーの歴史を紐解いてみようかとも思ったのですが、この場において書くのが妥当であるかどうか判定が微妙な記憶しかないことを再認識しました。

そもそも器用でないオレはサッカーそのものが苦手でした。まずドリブルがまともにできない。やろうもんなら確実にボールを追い越します。だから『ボールは友達』とかありえません。仮にボールが友達だったら絶対にケンカ別れしてますし、『ボールが恋人』だったら「あなたにはもう付いていけない」と置き手紙を残される自信があります。





だからサッカーの試合の時は、それほどドリブルをする必要がないディフェンダーしかやれるポジションがありませんでした。ただし、体力だけは人並み外れてあるため、執拗に相手に張り付く嫌なディフェンダーです。


そんな折、学校の授業でサッカーの試合が行われました。
クラスの男子を二つに分けての試合となり、オレは当然守備に陣取りました。で、当然のことながら女子が見てたりすると男子どもは余計に試合ぶりに熱が入ります。「へいへい!こっちこっち!」と、いざ本当に来たら困るのにボールを呼びます。

とはいえ、クラスにはサッカー部に所属する男子が数人おり、もうほぼそいつらの独壇場ですよ。素人が技術面で太刀打ちできるもんでもありません。

得意な競技でもありませんし、適当にやろうとは思っていても、オレも男の子なんでいざボールが来ると熱くなってしまいます。

そうこうするうちに、オレのテリトリーにサッカー部の花形スター選手が切り込んでくるじゃあないですか。
普通なら楽に抜かれてしまうんでしょうけども、執拗なマークの末、たまたまボールを奪取することができました。

もう値千金。往年のサッカー漫画の金字塔「キャプテン翼」なら、ドイツ代表シュナイダーのファイヤーショットを、キーパー森崎君しっかりキャッチ!または、DF石崎君の顔面ブロック並みの活躍ぶりです。
熱い、熱すぎる!



※ちなみに「顔面ブロック」という技を使用すると、石崎くんは総体力の3分の2くらい消耗します。
その代わり大抵のシュートは止めることができます、顔面で。



普通ならここで賞賛の声が上がり、マッスルコールとともにマッスル祭りが開催されることでしょう。しかし、その結果はまったく逆でした。



何がどうぶつかったのか、そのときの接触で花形サッカー選手は足を抱えてうずくまってしまい、普段から病弱なオレはまったくの無傷。痛いところがまったくありません。

声援どころかスターに傷を負わせたということで、完全にブーイングですよ。自分の仕事を全うしただけなのに、この扱い。完全に本国にいるはずなのに、アウェイにいるかのような錯覚。



やーやー、「ゴー、ホーム!」って自国だし。
いつの間にか仮想敵国みたいなことになってますよ。



こんなことならオレもちょっとは痛いことになってた方がよっぽど気楽でした。
とは言え、いまさら「アイターーー!!」とか言ってうずくまるには少々時間が経ちすぎました。いえ!遅効性の毒だったんです!とかいう言い訳も役に立たないでしょう。



    ダメな言い訳 其の1
       「ハブ出現」
    


「お、おい?だ、大丈夫か?」とおろおろしながらもその場を離れることができないオレと、負傷に耐えるサッカー部スター。
その間、オレとうずくまるサッカー部と2人を除いてゲーム続行。じゃぁ外からな、とオレの近くのサイドラインからスローイングがなされました。あれだけ苦労して奪取したボールは人の手によって前線へと運ばれていきました。諸行無常。


しばらくすると、「大丈夫だよ」みたいな感じによろめきながら立ち上がったスター選手にはしっかりと声援が送られていました。

この時、実感したのはやはり「サッカー部は女にもてる」ということです。


サッカー大嫌い。





(つづく)